【スナック キズツキ】そっと本音を吐き出したい

いつもの生活で、意識もせずに我慢している。

こんなものだよなとやり過ごそうとしている。

……ってことになかなか気がつかないものだけど。

目次

【スナック キズツキ】の内容

これはマンガ。

傷ついた者しかたどりつけないスナックに、偶然たどりついてしまった者たちのおはなし。

だからひとつひとつのおはなしの題名はすべて、登場するお客さんのなまえ。

もくじを見ただけではおはなしの内容はわからない。

でも。

どの人のおはなしも、一理ある。

どの人のおはなしも、共感できる部分がある。

どんな立場の人にもしんどさがあるんだなと思える。

さとう

だけどどれもエキセントリックではないのよ

まじめに日常を送る人に必要なもの

社会で生きている人の大多数は毎日を、まじめに、静かに過ごす。

イラっとすることやなんだそれと憤ることがあっても、大抵は自制心をもってやり過ごす。

でも、いろいろな出来事に傷ついていないわけではない。

ひとつひとつは小さな出来事でも、傷がつかないわけではない。

……という他人の様子を、あなたはどのくらい意識して社会生活を送っているだろうか。

人間は意外と他人を傷つけていることに気がつかない。

それが大騒ぎの事件にならないのは、傷を受けたほうが「まあ、こんなこともあるよ」と我慢しているからだ。

さとう

……ってことは私たちは日常的にだれかになにかを我慢させているのかしらね……

そんなこと、大人になると(最近は子どもでもだけど)日常茶飯事すぎて、いちいち意識して数えたりしない。

でも「やな感じだったな」という思いはいつまでも消えないで残る。

そんなとき、そっと本音を吐き出してちょっとだけ癒やされるような場所があったら、いいよね。

しかも話を聞いてくれる相手が知人ではなく、自分を評価するような物言いをする人でもなく、癒やし方も思いがけない方法で「なんか知らんけどほっと一息ついちゃった」となる場所だったらうれしいよね。

まじめに日常を送っている人が、そっと本音を吐き出してほっとする場所(や人など)は必要だ。

そうでなければ知らないうちに、疲労する。

疲労はなんとかして解消しなくては。

具合のよい設定

いまの時代、おいしくて居心地よくてなんとなく自分が常連客っぽくいられる店を、新参の客が食べログなどに載せたせいで居心地悪くなって行かなくなったりすることがある。

さとう

べつに食べログが悪いとは言わないけどね

このマンガの設定は、傷ついた人から見ればとても具合がいい。

まず、傷ついた者だけがたどりつける、という店。

声高にしゃべる迷惑な客がいない。

次に、スナックだけどアルコールがない店。

アルコールは嫌なことを忘れるための手っ取り早い手段だ。

でもアルコールは薬物でしかない。作用が消えたときに問題は解決してない。

そしてステキなのは、スナックのママ。

力みがない。お客さんにちょっと強めにアプローチするときもあるけど、加減がほどよい。

こういう店にまだ出会ってないけど、ってことはまだそれほど傷ついていないのかなと思ったりもする。

でも読んでいるだけでほっとするんだよ。

そしてまた読みたいなと思うときがくる。

さとう

さとうは来ました、また読みたいってときが

さとうがこの本を読んだ理由

この本を手に取ったのは、やはり本屋をうろうろしていたとき。

ふと目について手に取って、そしたら当たりの予感しかなかった。

ベストセラーだったりドラマになったり、はあとから知った情報。

疲れたなってときにオススメできる。

マンガだから読み進めるのも、ラクだ。

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この記事を書いた人

昭和生まれ。なのでリアルな顔写真はご勘弁を。
オタクという言葉がなかったころからSFを読んでいます。
オタクのはしくれなので読んだ本を紹介します。

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