神話・伝承・寓話などは、もちろん、その土地ならではのむかしからの文化が話のながれを強くささえている。
……ってことがわかる話だった。
【やし酒飲み】のあらすじ
主人公は、10歳からやし酒を飲むことしか能がない。
ある日、彼専属のやし酒造りが死んでしまい、途方に暮れた。
そこで、古老の「死んだ人はこの世のどこかに住んでいる」という言葉を信じ、死者の町へやし酒造りを連れ戻す旅に出る。
旅の途中、主人公はさまざまな奇妙な生き物や場所に出会い、冒険を繰り広げる。
はたして、やし酒造りを連れ戻すことはできるのか。
ナイジェリアの文化を想像しながら
さとうが読んだ本には、やし酒飲みの話のもくじはない。ただ、読み進めていくとときどき
- 奇妙な生物の描写
- 神々の〈父〉が、町の長の娘の居所を探し出すくだり
- ……
などの太字のしきりが本文のなかに現れる。
これは話が転換する段落的なおしらせ?かな。
話の中身はもう、ナイジェリア・ヨルバ族の言い伝えをふまえた神話じみたファンタジー。
だから話のなかに奇妙な登場人物や、日本人には理解しにくい展開があふれ出てくる。
それは著者が育った社会で信じられている文化から発想されたもの。
そして「なるほど、こういう考え方がこの著者のお国にはあるんだ」とおもしろくも感じる。
たとえば森林に対する恐ろしさ。旅を続けるには森林をかならず通りすぎなければならないのに、かならず予想外の混乱に巻きこまれる。
あとは、ジュジュ。おそらく日本でいう呪術と近いものだと思われるが、使い方や成りたちがちょっとちがうみたい。
それと「恐怖」の取り扱いかた。「死」は売り払えるのに、「恐怖」は貸し出すのみ。

おお?
どんなものがどんな話を作り出すのかを妄想しながら読むのは、たのしいね。
「マンガで紹介」はつながる・ひろがる
そんなに大ベストセラーというわけではないだろうと考え、読書メーターなどで感想を見てみた。
「本なら売るほど」で知った、という人がまあまあいて、なるほどねって感じ。
本を紹介する本・文章はたくさんあった。
でも紹介は、マンガのほうがウケがいいだろうというのもわかる。
だってセリフで説明するし絵がついてくるから、わかりやすいじゃない?



これからも味わいのある本を紹介してほしいなぁ
さとうがこの本を読んだ理由
読んだのは、「本なら売るほど」で取りあげられていたのを見て、うれしくなったから。



積読の本にあったのよ
ではなぜこの本を買ってたのか。
それはもうわからない。



ちょいと昔のことなのさ
ただまあ想像するに、本のタイトルとその下に(岩波文庫は表紙にあらすじが書いてある)載ってたあらすじがおもしろかったんだろう。



実際、おもしろい
だから本屋でウロウロしていろいろ見てまわるのは、おもしろいものに出会う機会を増やすよね。
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