本が好きな人は、本屋のそばで暮らしたいとか小さな「町の本屋さん」を経営してみたいなとか、夢を見る。
自分が本好きだから、みんなも買いに来るんじゃない?と考えたりもする。
実際はなかなか大変らしいよ?
【書店を守れ!】の内容
はじめに
書店を守ろうと言えば、多くの人が同調する。
もはやこれは、本は素晴らしいという一種の信仰に近いのではないか。
第1章 書店を経営してみたら……
- 現実は厳しかった
- 出版業界の特殊事情
- 誰が書店を”殺すのか”
- 「町の書店vs大手チェーン書店」という構図は捨てよ
- きのしたブックセンターの事業継承
- 税理士に反対される
- 書店を開くのはお金がかかる
- これをしなければ、筆は止まっていた
- 小説創作の秘訣
- 佐賀之書店開業で知った”闇”
- 「館」との交渉
- ここに出店すれば勝てる
- バイタリティ溢れる名物店長
第2章 作家になるまで
- 本と書店と青春時代
- 私のことを覚えていた店主
- 大学生で変わった、書店とのかかわり方
- 本に救われた
- 本を読めなくなっても
- 読書習慣がある人は、ここが強い
- 生徒にいわれた一言
- 作家デビューまでの苦闘と楽闘!?
- 書店でデビュー作を見て
- 直木賞受賞で流した涙の理由
- 幻の受章パーティー
- 全国の書店を回った「まつり旅」
- 「俺がやる」
- なぜ本書を書いたのか
第3章 書店を守るには
- 取次は”悪者”か
- 取次を守れ
- 雑誌配送の不都合な真実
- 鍵を握るのは大手出版社
- 発売日協定をやめると……
- 返品率と自主仕入れ
- マイナスを減らすより、プラスを増やす
- 作家100人が集結する大イベント
- 次なる一手
第4章 新ビジネスの立ち上げ
- シェア型書店への参入
- 「20年前だったら、3倍は売れましたね」
- 複合型書店
- シェア型書店でマネーロンダリング⁉︎
- IT企業をM&A
- 佐藤可士和さんへの手紙
- 地方だからこそ
- 全国展開へ
- TRCは書店の敵か
- 書店×図書館戦争
- TRC社長とサシで
- 本の甲子園
- 作家の地方移住
- 日本ドラフト文学賞
- 選考委員を置かない
第5章 書店のこれから
- 書店の二極化
- 生き残るのは、こんな書店
- 原点回帰
- 作家も出版社も減る
- 行政による支援
- 業界人の甘え
- 書店は、守られなければいけないのか
- リアル書店が消えて困るのは誰か
- 50年後の読者のために
- 本に夢見て
言いたいことを言うまえに現実を知ろう
町の本屋さんが消えていく現象に遭遇して、もう何年になるだろう?
さとうが中学・高校の学生だったころは、下校の途中でかならず本屋に立ち寄った。
帰宅途中の通学路にはかならず「町の本屋さん」があったのだ。
小規模で、いつも同じ本しか棚に並んでないような本屋でも、歩き回る範囲にかならず本屋があった。
さとうもともと本好きだったから、まるで習慣のように毎日寄ったわ
なぜ、町の本屋が消えていくのだろう?
若者の読書離れ?
スマホに時間を奪われている?
アマゾンが悪い?
電子書籍が悪い?
図書館がタダで貸すから?
読書ブログをやっている人ならわかると思うけど、本・書籍でアフィリエイトをやろうとしても利益はあまり出ない。
それと同じ理屈が現実の書店にもある。



本を売るって、そもそも薄利多売じゃないと無理なカテゴリなのよ
「第1章・現実は厳しかった」によると、1000円の本を売って書店に入ってくるのは220円。
もしキャッシュレス決済で買われると、手数料を取られるから粗利は200円以下になってしまう。
けれど本の単価を利益が出やすいように高くすればいいかというと、それはできない。



今でさえ文庫本が高いなぁと思っているからねぇ
さとうも含めて一般の本好きは、本の流通の仕組みや利益の出方など、なぜ町の書店は苦しんでいるのかという現実の理屈をあまり知らない。
言いたいことはいろいろあると思うけど、まずは現実を構成している(というか問題を構成しちゃっている)事実を知ることが大事だ。
そういう意味でこの本はわかりやすい。
たぶん、本に関わる業界に勤めていると「取次が悪い」「TRCが悪い」「結局図書館も悪い」とかのアレコレが聞こえてくるだろう。
でもね、本の流通を考えてここまで作り上げてきたシステムを、町の本屋がもうからないからダメだと一刀両断にするのも過激だ。
どんなものにもメリット・デメリットがある。これ以上本屋が減らないでほしいと思う人はまず現実をよく知ろう。
改善はそれからだ。
さとうがこの本を読んだ理由
それはやっぱり本屋が減って悲しいから。
大手の、図書館と見まちがえるような書店ばかりになってもしかたがない、本屋がなくなるよりは、とは考えている。
でも。
何によらず、触れる回数が多ければ多いほど興味を持てるようになる。
「本読むのなんかメンドくさい」と考えている子どもだって、毎日通学する道に本屋があれば、たまには寄る。
それがマンガ目当てであってもかまわない。
本屋に入って並んでいる本を見たときに「あれ?これなんだ?」と目にとまればいいのよ。
そういう回数が増えると、好奇心が育ち、調べるとっかかりが増える。
授業で見たことがある言葉や図解に出会ったとき「おれ、これ知ってるぜ」となる。
そういうことの積み重ねが意欲につながる。
本屋はものを売る店であると同時に、多面的に教育のきっかけを提供する場なの。
どうかこれ以上、なくならないでやっていけるような仕組みができてほしい。












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