自分の人生は自分でコントロールしたい

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不確定で不安定なものには不安がいっぱいだ

昭和の高度成長期ならいざ知らず、今は進学もその先の進路も、わからない・見通せないことだらけで不安がいっぱいの時代だよね。

しかも昭和の常識をいまだがっつり信じて疑わない高齢者から「やりたいことをやればいいんだよ〜」ってアオる若いカリスマまで、意見をいう人にはいろんなタイプがいて、どれを信じたらいいのか迷う。

日本は高齢社会だから、先入観や偏見がけっこう幅をきかせていて、若い人たちを圧迫し新しいものにトライする勇気を削っていく。

それは辛いし、悲しい。

自分の人生を考えるとき、贅沢はいわないが人並みの収入とブラックじゃない仕事環境がほしい、と思うのは普通のことだよね。

そこに「ホントはこういう仕事がしたかったんだ」という喜びがあったら、幸せだな。

でも、実はこういうのって、高度成長期でも希望に過ぎないことがけっこうあったんだよ。

いつも先には、不安がいっぱい。だって未来は不確定でまだ不安定なものだからね。

何ひとつ、無駄にはならない

この本のように、中途半端ないなかの町で暮らしていく時、絶妙に「何かが足りない感」につきまとわれながら生きている人は多い。

さとう

さとうもそうだよ

だから、たとえば九州なら「福岡行ってアイドルやる!」とか、たとえば関西なら「大阪行ってお笑いになる!」とか、それ以外のいなかにいると「東京に行けばやりたいことできるんじゃね?」とか、なんか夢を見る。

だけど、100人いて100人が全員、夢をかなえられるわけじゃない。

心が折れて撤退した人は「失敗したな、俺の人生」って挫折感を味わう。

へこみまくるよ、こういうことって。

でも、その経験は、ぜったい無駄じゃないから。

経験したこと、学んだことは、何ひとつ無駄じゃない。

なぜなら、あなたの経験はあなただけの体感、あなたがやった勉強はあなただけの知恵。

誰にも奪われないし、あなたしか持ってない唯一無二のものだから。

たとえば今は学生の人、卒業したばかりで仕事が決まってない人、未来を見ると不安ばかりだろうね。

けど、あなたが学んできたことは、いつか必ずどこかで使う、役に立つ。

この本は、そんな流れからの元気回復話。

現実でもそうなるからね。

Aをやれば必ずBになる、というストレートな理屈どおりの流れにならないだけで、学んだことはいつかどこかで役に立つ。

「これ教わったころは何だよーとかウザい感じだったけど、いや、知ってて助かったわ」っていうことが、必ず起こる。

だから、どんな雑学も大事にしてね。どんな経験も大事だからね。

さとう

年寄りの経験からいえるのさ

でもコミュニケーションはやっぱり大事

この本は、福島のいなか町に住んでいる高校生が、町を騒がすちょっとした出来事をきっかけに、自分の人生や好きなものや人づきあいを考える話なの。

好きなもの、興味のあるものに対して、ちょっとだけ勇気を出して近づいてみたら、いろいろと考える人の人生に巻き込まれることになったのよ。

でも、好きなものを追いかけるのは気持ちもアガるし、前に進もうとするエネルギーをもらえる。

そのためには、ほんのちょっとの勇気が必要になる。

さとう

さとうも、ちょっとだけ勇気を出して下手な二次創作をネットにあげたことがあるわ。
ちょっとだけ勇気を出して同人誌を買いに行ったこともある。

ちょっとだけ、でいいの。

自分の中にあるものを肯定するために、自分で動くことにつながるもの。

ちょっとだけ勇気を出して動いたら、次はコミュニケーションを取る、ってことにつなげる。

この本でも、変わり者に思える仕立て屋の店主と仲間になったことで、主人公は自分が考えている方向に進んでいけるようになっていくの。

仲間は大事かも。

ひとりきりでなにかを成し遂げるのは、ものすごく大変で、辛い。

ちょっとだけ勇気を出して、動いて、コミュニケーションをとって、前へ進んでいく。

これってものすごく高いハードルに見えるけど、別にね、一気にやらなくてもいい。

すごーく悩んで、すごーくゆっくり、ひとつずつ試してみればいいのよ。

この本に出てくる高校生も、自分のペースで考えて動く。

だって自分の人生だもん、自分で考えて動いて悪いわけないじゃん。

いつかどこかで、自分の考え方を「悪くないよ?」とわかってくれる人に会えるから。

自分の周りの何もかもを否定しなくてもいいのよ。

コルセットを見直した

この話を読むまでは、コルセットって整形外科でお世話になるモノだとばかり思ってた。

でもこの話を読んでからネットでググると「へぇ〜、素敵な着こなしにも使われているんだぁ」ってわかった。

下着の役割ばかりじゃなかったんだね。

そういえば本の中でも、おばあさんたちが和モダンな着こなしをしてたし。

さとう

またひとつ、さとうも学んだよ

ちなみにさとうがこの本を買った理由

裏表紙に、いなか町の仕立て屋で華美なコルセットが飾られた、と説明が書いてあった。

これ、いなかに住んでいると、そりゃ大変な騒ぎになるだろうさ、と実感できる。

新しいモノとか見たことのないやり方とか自分たちが守ってきた古いしきたりから外れたこととか、そういうものにはワケはわからないままに騒ぎ立てることがあるの。

だから「なんで華美なコルセットを?」とか「いなかの商店街はどう反応したの?」とか「そもそも男子高校生がコルセットの何に理解を示したの?」とか、だんだん妄想的疑問がふくらんだ。

だから読まずにはいられなかったよねぇ。

まとめ:本の紹介

福島の町の古い仕立て屋が、ある日ウィンドウに18世紀ロココ調のコルセットを飾った。それは素人が見ればただの女の下着で、だから町も商店街も大騒ぎ。

たまたま通学路にあたる男子高校生が見たとき、それが何であるか、どのくらい手の込んだモノであるかが理解できた。店に引っ込もうとしていた店主にこれが何であるかを確かめる質問をしてしまったことで、主人公である高校生と店主の間に、妙な信頼関係ができてしまい、さらにそこからもう一人の高校生と繋がりができはじめる。

3人の活動は、少しずつ周りの人間を巻き込んで、最後には町全体を巻き込む大きなうねりになっていった。

もうね、自分たちが動くことで世界が変わる、という元気の出る話。

たとえこれがフィクションであっても、現実世界でもこんなふうに変えていけるかもしれないと勇気を与えてくれる話なんだよ。

自分の人生に何かを求めているのなら、こういうふうに一歩踏み出してみよう。

自分の人生は自分でコントロールしたい。誰にもゆだねたくないよね。

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この記事を書いた人

昭和生まれ。なのでリアルな顔写真はご勘弁を。
オタクという言葉がなかったころからSFを読んでいます。
オタクのはしくれなので読んだ本を紹介します。

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