自分の世界を持っているって強い
私たちは、小学生のころからいろんなカタチで文章を書いてきた。
書くことが嫌いじゃなくて、頭のなかに自分の世界がある人は、書くのがめっちゃ早い。
宿題の作文だったり、読書感想文だったり、グループ作業の発表文だったり。
とにかく、文章を書くことについて自分なりの方法や考えかたがある人はサクサクっと書く。
事務的に書くものであってもそうなんだから、創作においては、自分なりの方法や考えかたがあるってすごく強いよね。
うらやましい。
大原まり子の書くものには個性がはっきりと出ていて、初めから終わりまで、世界観がブレてない。
頭の中に自分の思い描く世界そのものがきちんとできあがっているんだね。
だからその世界のなかでさまざまなストーリーを展開しても、基本のにおいは変わらない。
いやまあ、創作活動をしているかたたちは、みんなそうなんだけど。
だから作品が売れて、ファンがついて、活躍が続くんだと思うけど。
どんなカテゴリでも、自分の世界を持っているって、生きていくときの強みだね。
SF作家、が活躍してほしい
古い考えから抜け出たい
さとうの持ってる本は、例によって古い。

なんと昭和57年(1982年)発行!
で、解説には中島梓氏。
ここで中島氏は「日本に《女流SF作家》はいるのでしょうか。」と書きはじめている。
そうそう、こんなことをわざわざ書かなくちゃならないほど、女性のSF作家は少なかった。
もう令和だからね、さとうはわざわざ「女流」とつける必要はないと考えている。
だって、「女流」何々、って呼ぶってことは、本来男がするのがスタンダードな仕事・役職と考えているってことになる。
それ、おかしくない?
SFを読んでいると、技術や知識、目につくガジェットの新旧に、つい気をとられる。

ガジェットとは、ちょっとしたしかけや小道具のこと
でも根本的な、常識と思われている考えかたにも「どして?」って思うような古いものが残っているの。
ゆがみなく新しい時代の考えかたにふれて、自分をアップデートしたいな。
自分で自分を癒す方法はある
今回のブログタイトルの「独自の世界観を確立することが自分を救う」は、決してひとりよがりな世界観を持てということではないの。
自分の世界観を他人に押しつけよう、強制的にわからせようということでもない。
今のこの世の中が生きづらいとしても、自分の頭のなかで考える世界を他人の基準に合わせなくても大丈夫だよ、って言いたいの。
もちろんそれは、現実化できるかはわからない。
さらに現実的にカタチにしたいなら、他人への権利の尊重や思いやりを忘れてはいけないけれど。
いろんな大変なことや辛いことがあっても、結局、自分を救えるのは自分なのよ。
他人の権利を侵害しない、他人にやつ当たりをしない、そんなあたりまえなことを守ったうえで、自分が心地よいと思う価値観の世界で想像したりそのことを作品にしてみたりする。
独自の世界観の中で、自分で自分をいやすんだね。
自分を救うのは、究極、自分だ。それは自分の価値観や世界観を肯定することでできる。
だからいっぱい考えて、自分の中でストーリーを作りあげるのがいい。
そしてそれを他人にもわかってもらおうとするなら、SF小説の形で発表するのがいちばん手っ取り早いし、害がない。



と、さとうは思ってる
絵が得意ならマンガでもいいよ。映像が得意ならネットでもいい。
なんでただの小説ではなく、SF小説の形での発表をオススメするのか。
それはどんな荒唐無稽なおかしな世界観でもストーリーとして成り立たせることができるから。
さとうは「女流」という言いかたが好きではない。いまだに男女に大きな差がある社会が腹立たしい。
だから、ルグィンじゃないけど、男女平等にならざるを得ない両性社会を、よく妄想する。
妄想は自分を救うの。
フィクションはノンフィクションから生まれる
大原まりこの本を読んでいるとね、時代のせいもあると思うんだけど「ああ、男性作家ならこうは書かないよな」「こういう視点は持たないかもな」って思う部分が出てくる。
現実はそうかんたんに変化はしないけど、絶対変化しないわけでもない。
だからみんな、自分の世界をもち、それをフィクションの形でオモテに表すといいんだ。
きっかけを作ることで、人も世界も変わるだろうから。
フィクションって「たかがフィクションだろ?」って思われがちだけど、書いているのは現実の人間なんだ。
だからかならず、現実世界での考えかたや状況が、影響している。
そんなに軽いものではないのよ。
そのフィクションや世界観が共感を呼ぶのは、ヒトマネではない本物が出てきたとき。
「あっ、これ、わかるっ」「あー、私の考えてることと似てる〜」
そういう感じのするオリジナルなものにふれたとき、人は感動するのね。
それって、自分の正直に感じたり考えたりしたものが作品に出てるときなのよ。
ネットの時代だから、まねはすぐにバレるじゃないの。
さとうは、ネットで2次創作の作品をいろいろ読んでみたので、妄想したらみんな書けばいいのよっ!ってずーっと思っている。
そして自分が好きだから、みんなSFチックな話を書けばいいのよって思っている。
とにかく、独特な世界観のSFがどんどん出てほしいわ。
ちなみにさとうがこの本を買った理由
前にも書いたけど、中島梓氏が推しているというので、この作家さんの本を読もうと思った。
しかもタイトルに「猫」って言葉がはいっていたし。
なんか猫は好きなのよ。
それが未来の宇宙で活躍してるのかしら?なんて想像すると、ロマンチックな気分になったし。
しかもパラパラっと見たら、解説を中島氏が書いてるし。
買わないわけ、ないじゃん。
まとめ:本の紹介
遠い未来の、広い宇宙で、人間と人間型生物と宇宙人が、まるで地球上の現在のさまざまな問題を再現するかのような争いやかけひきをおこなっていた。
「一人で歩いていった猫」
「アムビヴァレンスの秋」
「リヴィング・インサイド・ユア・ラヴ」
「親殺し」
の4つのストーリーからなる、バラ色でもなくディストピアでもなく、美しくもハードな大原まり子ワールド。
今はやりのジェットコースター的スピード感はないが、ストーリーとしては古くないとさとうは思っている。
どうか楽しんで。
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