【シナリオのためのSF事典】手引書にはいろいろある

わからないことがあるときは、いまなら検索する。

むかしは参考書のような、手引書のような、案内書のような本をひらいた。

でも、手引書っていっても内容的にはいろいろある。

今回はそのうちのひとつを紹介する。

これは「シナリオのための」とタイトルに入っているから、SFの作品を描く・書くことや人を前提にしている本。

だけど、SFを読む初心者にも役立つ。

目次

【シナリオのためのSF事典】の内容

SF作品を創作するときに役立つように、科学のトピックを6つに分類して解説。

  • 第1章  科学技術
  • 第2章  巨大構造物
  • 第3章  生命
  • 第4章  世界・環境
  • 第5章  宇宙
  • 第6章  テーマ

章末にはキーワードの解説もある。

ジャンルのお約束は知るべし

SFの場合、ふくまれる分野が多すぎるので、勉強なんかしてもしても「これくらいでいい」なんてラインは出てこない。

勉強して新しいことやくわしいことを知ると、ますます知りたくなっちゃうところがあるから。

そして、ますます知っておかないと作品をつくるにしても読むにしても、足りなくなるところがある。

Fictionの部分をもっと自由に、もっと多彩に空想できるように、科学知識+お約束は知っておいて損はない。

さらに創作したものを他人に見せる前提があるなら、いろいろ知っておかないとね。

でも実際に創作しようとすると、SFは何と何をどこまで調べたら、あらすじを書けるかな、ほかの人になるほどと思ってもらえるかなとカタチにするのがむつかしい。

こういうときに、ジャンル特有の言葉や考えかたを説明してくれる事典があると、すごく助かるすごくラク〜。

やっぱりジャンルには特有のお約束ってのがあって、べつにそれを守れとはいわないけれど知っておくのは重要よ。

型破り、って新鮮で独特で売れる要素なんだけど、型を知っていてこその「型破り」だからね。

型を知らずに破天荒を気どっても、他人はあなたのこだわりに気づかない。

「お?ここ、普通のお約束にはない部分じゃん?」

そう思わせないと、個性を発揮できないから。

さとう

お約束の中に個性を発揮できたらそれもグッド!

知っておきたい基礎知識を手に入れよう

でね、お約束のなかには正しい科学的基礎知識もはいる。

以前紹介した大森望氏の「SFの定義」によれば、「科学的論理を基盤にしている。また、たとえ異星や異世界や超未来が舞台であっても、どこかで『現実』とつながっている(ホラー、ファンタジーとの区別)」という条件があるの。

さとう

さとうは「大森氏のSFの定義」を支持してる

SFはたまにファンタジーとすごく重なる部分が出てくる。

妄想しているぶんには楽しいんだけれど、作品として読まされているほうは何がなんだがわかりにくいわっ、勝手な理屈ばかりやー、となる可能性がおおいにある。

他人に読ませる予定がなければそれでいい。自分が楽しめればいいわけだからね。

でもネットにあげてこっそり発表しようとか考えているのなら、読んでいる人が混乱しないていどにお約束となる正しい科学知識を踏まえておいたほうがいい。

日本語で小説を書かないと国内で暮らす日本人に読んでもらいにくい、というのとおなじで、SFの小説を書こう!と思ったらかんたんな共通語となる科学知識のことばを使えるようにしておくのが大事。

そうでないと読んでもらえない。

じつは昔から事典はあった

さとうみたいな理系苦手なおばさんでもSFが楽しめたのは、むかしからこういう感じのSF事典があったから。

いま検索すると、今回さとうが紹介した本ばかり出てくるけど、むかしは子どもが読む図鑑みたいな厚さと大きさのハンドブックがあった。


SF百科図鑑 (1978年)

                        ⬆︎ こんな本でした。

カタカナ言葉がいっぱい載っていて説明されていて、キラキラしていたの。

ただ、厚いということはページ数が多いということで、そうすると値段も高い。

本屋に行くたびに手にとって眺めてきた。

さとう

SF好きとしてはあこがれだったね

写真もイラストもカラーでその時点での最先端を描こうとしていて、キラキラして見えた。

さとう

ムリしてでも買っとけばよかった

さとうがこの本を読んだ理由

まずはね、歳をとってSF用語をほかの人にきちんと説明できなくなってきたから。

「SFおもしろいよー」とみんなに言ってまわっているのに、たまに読んでくれる友達が聞き返してくる質問にテキトーにしか答えられなくて。

さとう

いやそれはなんていうかマズイんじゃないの?って考えた

たとえ常識といわれる知識でも、きちんとアップデートして「今」の正しい情報を頭に入れておかないと、自分が楽しくない。

それとやっぱり、事典が手元にあるのは便利。

ちょっとした説明を読むだけで「あの話のつづきとしてこんな妄想ができるじゃないの」とSF本を読んだあとに個人的にさらに楽しめるのよね。

そもそもは2011年に「ゲームシナリオのためのSF事典」として出版された本だが、修正を加えて広くSF要素の物語を創作するときに参考にしてもらいたく、事典の形でまとめられた本だ。

だから物語のネタを考えるときのとっかかりとして読んでもいい。

SF超初心者がSF本を読むときの参考書がわりにしてもよい。

科学書のようにむつかしい表現はほとんどない。教科書よりもわかりやすい(ところもある)

「SF、読んでみるかな〜」と思ってくれたかたは、この本も手元にあったほうがいい。

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この記事を書いた人

昭和生まれ。なのでリアルな顔写真はご勘弁を。
オタクという言葉がなかったころからSFを読んでいます。
オタクのはしくれなので読んだ本を紹介します。

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