わからないことがあるときは、今ならググる。
むかしは参考書のような、手引書のような、案内書のような本を開いた。
でも、手引書っていっても内容的にはいろいろあって、今回はそのうちのひとつを紹介するね。
これは「シナリオのための」とタイトルに入っているから、SFの作品を描く・書くことや人を前提にしている本なの。
だけど、SFを読む初心者にも役立つことはまちがいない。
ジャンルのお約束は知るべし
SFの場合、ふくまれる分野が多すぎるので、勉強なんかしてもしても「これくらいでいい」なんてラインは出てこない。
だって勉強して新しいことやくわしいことを知ると、ますます知りたくなっちゃうところがあるからね。
そして、ますます知っておかないと足りなくなるところもある。
Fictionの部分がもっと自由に、もっと多彩に空想できるようになるのよ。
創作してそれを他人に見せる前提があるなら、いろいろ知っておいて損はない。
でも実際に創作しようとすると、SFは何と何をどこまで調べたら、あらすじを書けるかな、ほかの人になるほどと思ってもらえるかなとカタチにするのがむつかしい。
こういうときに、ジャンル特有の言葉や考えかたを説明してくれる事典があると、すっごくラク〜。
やっぱりね、ジャンルには特有のお約束ってのがあって、べつにそれを守れとはいわないけれど知っておくのは重要よ。
型破り、って新鮮で独特で売れる要素なんだけど、型を知っていてこその「型破り」だからね。
型を知らずに破天荒を気取っても、他人はあなたのこだわりに気づかない。
「お?ここ、普通のお約束にはない部分じゃん?」
そう思わせないと、個性を発揮できないから。
もちろん、お約束の中に個性を発揮できたらそれもグッドだよ。
知っておきたい基礎知識を手に入れよう
でね、お約束の中には正しい科学的基礎知識もはいる。
以前紹介した大森望氏の「SFの定義」によれば、「科学的論理を基盤にしている。また、たとえ異星や異世界や超未来が舞台であっても、どこかで『現実』とつながっている(ホラー、ファンタジーとの区別)」という条件があるの。
さとうは「大森氏のSFの定義」を支持してる
SFはたまにファンタジーとすごく重なる部分が出てきて、妄想しているぶんには楽しいんだけれど、作品として読まされているほうは何がなんだがわかりにくいわっ、勝手な理屈ばかりやー、となる可能性がおおいにある。
他人に読ませる予定がなければそれでいい。自分が楽しめればいいわけだからね。
でもネットにあげてこっそり発表しようとか考えているのなら、読んでいる人が混乱しないていどにお約束となる正しい科学知識を踏まえておいたほうがいい。
日本語で小説を書かないと国内で暮らす日本人に読んでもらいにくい、というのと一緒で、SFの小説を書こう!と思ったらかんたんな共通語となる科学知識のことばを使えるようにしておくのが大事。
そうでないと読んでもらえない。
実は昔から事典はあった
さとうみたいな理系苦手なおばさんでもSFが楽しめたのは、むかしからこういう感じのSF事典があったから。
今ググると、今回さとうが紹介した本ばかり出てくるけど、むかしは子どもが読む図鑑みたいな厚さと大きさのハンドブックがあった。
⬆︎ こんな本でした。
カタカナ言葉がいっぱい載っていて説明されていて、キラキラしていたのよ〜。
ただ、厚いということはページ数が多いということで、そうすると値段も高い。
本屋に行くたびに手にとって眺めてきた。SF好きとしてはあこがれだったね。
写真もイラストもカラーでその時点での最先端を描こうとしていて、キラキラして見えたのよ〜。
無理してでも買っとけばよかったな。
ちなみにさとうがこの本を買った理由
まずはね、歳をとってSF用語をほかの人にきちんと説明できなくなってきたから。
「SFおもしろいよー」とみんなに言ってまわっているのに、たまに読んでくれる友達が聞き返してくる質問にテキトーにしか答えられなくて。
いやそれはなんていうかマズイんじゃないの?って考えた
たとえ常識といわれる知識でも、きちんとアップデートして「今」の正しい情報を頭に入れておかないと、自分が楽しくない。
それとやっぱり、事典が手元にあるのは便利。
ちょっとした説明を読むだけで「あの話の続きとしてこんな妄想ができるじゃないの」とSF本を読んだあとに個人的にさらに楽しめるのよね。
まとめ:本の紹介
そもそもは2011年に「ゲームシナリオのためのSF事典」として出版された本だが、修正を加えて広くSF要素の物語を創作するときに参考にしてもらいたく、事典の形でまとめられた本。
物語のネタを考えるときのとっかかりとして読んでもいいし、SF超初心者がSF本を読む際の参考書がわりにしてもよい。
科学書のようにむつかしい表現はほとんどない。教科書よりもわかりやすい(ところもある)
「SF、読んでみるかな〜」と思ってくれたかたは、この本も手元にあったほうがいい。
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