買ってもいいか、内容を心ゆくまで確認できるのがよい点
あなたの町の本屋さんは閉店になっていないかな?
小さな書店は大手通販会社や電子書籍におされて撤退なさるところが増えている。
大きな街の大きな書店にまで出かけていかなければ、本をぶらぶら眺めることもままならない。
町の書店ではSFの棚はせまく、置いてある在庫も最新のものが多いのかと思えばふるい有名タイトルがいつまでも並んでいたりと、刊行されている本のどれくらいを目で見て確認できるのか、はなはだ不確定だ。
でも。
せっかくお金をかけて手に入れるのだから、心ゆくまで確認して自分の気にいりを買おう。
何がいいって実際に手に取れること
1 オススメが並んでいる棚や平台をじっくり見る
まず本屋・書店に入ったら、その店のオススメ本が並んでいる店頭の棚や平台をじっくりと見る。
本のある場所に出かけるということは、平積みのオススメ本や最新刊を手に取って見開くときのワクワク感が味わえるということだ。
SFの棚は狭いが、平台には「おや、このタイトルはもしや?」とSFをにおわせる話の本が並んでいる。
店頭の棚や平台を見終わったら、SFを並べていそうな棚をながめる。
ハヤカワや創元の文庫が(文庫にかぎらなくてもいいが、単行本はちょっとお高いので)並んでいるところだ。
でも、時間があれば全部の棚を見てまわるといい。
SF本って必ずしもSFを多く発行する出版社のものとはかぎらない。
棚差しの本のタイトルをよく見ると、SFっぽいものが意外にある。
2 裏表紙の本の紹介を読んでみる
タイトルがなんとなく気になったら、裏表紙の本の内容紹介(文庫の場合)を読んでみる。
150~200字ほどの紹介だが、この本がSFっぽいものかどうかがわかる。
SFっぽいものであればいい。
本格SFでなくても楽しく読める。
さとうは、ね
単行本ならオビにあおり文句が載っている。
それを読んで考える。
SFっぽい感触をたしかめるのだ。
なおSFの場合、表紙絵でほぼSFっぽいと判断できることがほとんどだ。
しかし裏表紙の内容紹介を読むとそれほど興味をひく話でないときがある。
好きなものを手に入れるためには裏も見たほうがよい。
3 あとがきで最終的に判断する
あとがきを最初に読んでしまったらネタバレになるじゃん、って思っているかな?
多くの場合、そんな心配はいらない。
そしてネタバレになったとしても、話のおもしろさをそこなうことはほぼない。
なぜなら、そんなていどの文章ですべてがわかるほどSFは浅くはないのだ。
まあ、SFに限らないけどね
新しい概念、入れ子状態のストーリー、細かいことにこだわる表現、ハチャメチャな人物像、それらは本をじっくり読んでこそ味わえるものなのだ。
むしろ、あとがきの出来ばえしだいで本の内容にもっと興味をそそられる。
上手なあとがきは再読をうながす。
だからタイトルを見たときに「もしや?」と感じたオカシさをあとがきで確認するのだ。
「ああやっぱり、なんかおもしろそうで変だわ」ってね。
もしくは「ああなるほど、これかぁ」ってね。
なお、あとがきがない場合もあるが、そのときは目次をじっくりと見ればよい。
4 出版社で判断しない
SFを多く出版するところは数社ある。
早川書房、東京創元社、河出書房新社、新潮社、カドカワ、講談社、などなど。
でもSFっぽいものをさがすときはできるかぎりたくさんの棚の背表紙を見て歩いたほうがいい。
特定の出版社の棚だけですませてはもったいない。
じつは、過去に1冊しかSFっぽいものを発行したことがないという出版社はけっこう多い。
Amazon > ジャンル一覧 >文学・評論 >「SF・ホラー・ファンタジー」でくくり、サイドメニューの絞り込みに出版社名が並んでいるので興味があったらごらんになってね。
また、普段はSFっぽいものはあまり扱わないがおもしろい話だったら発行してますよという出版社もある。
さとうも、むかし後輩から借りたSFっぽい話の本がハヤカワでもなく創元でもなかったことに驚いたことがある。
もう一度読みたいと思っているのに残念ながらタイトルを忘れてるんだね
発行数が少ないからといっておもしろくないということはない。
おもしろかったからこそ、普段ならSFなんて発行しないのにこれを出版しよう!と考えてくれたのかもしれない。
だから、たくさんの本を吟味して選ぶと、思いがけずおもしろいSFと出会うことになる。
まとめ
● オススメが並んでいる店頭の棚や平台をよく見る
● 裏表紙を読んで感触を確かめる
● あとがきを読んで判断する
● 出版社で決めつけない
リアルな本屋・書店に出かけるってことは、実物の本と出会うってこと。
もう一度、言おう。
せっかくお金をかけて手に入れるのだから、心ゆくまで確認して自分の気に入りを買おう。
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