【SF飯2】おいしい料理は人を動かす

大衆食堂を再開させるために勘当御曹司は辺境星域で相も変わらずチカラの抜けた努力をつづける。

おいしいと感じる味覚は生身の人間だけのものではなく、だからこそ生身の人間を困った状況にも追い込み………って、御曹司はちゃんと仕事してることになるの?

目次

【SF飯2】のあらすじ

今回は序章っぽく、この世界に人間と自立した機械知性が存在することの、ある意味根源的なエピソードから入る。

さて、あいかわらず食について邁進しようと御曹司は調味料工場をつくる計画を立てたり、乱獲される宇宙鰻について対策を頼まれたりいそがしい。

そしてついには、星を救うことにまでかかわることとなってしまった!

おいしい料理をめざすので、食べることで人々に喜んでほしい

今回は、辺境の料理のパラダイムに向かって突きすすむ。

さとう

パラダイムって、ある時代・ある分野における支配的・規範的なものの見かたのこと

料亭船でおいしいものを食べるとか、飢えの経験がトラウマになって「まずくてクサい」宇宙鰻を食べるとか、なかなかな食体験について読ませてる。

食は生命をささえる根本。

だけど、辺境なのに「おいしさ」を追求しようとする展開のあたり、やはりほんわかと楽しく前向きだな。

「辺境の皆さんはもっと贅沢をしなきゃいけない」なんて、この勘当御曹司でなければ言えない言葉だよ。

とてつもない技術も絵的に「目の当たり」

このシリーズは「1」の半年後には「2」が刊行されていた。

小説なのに場面場面が頭のなかで絵になってうかんできて、マンガっぽい感じがして読みやすい。

このシリーズにはゲームデザインを手がける著者のほかに設定協力者がいた。

その方のおかげでさくさく読みやすく、イメージのわきやすい流れになっているのだろうと(勝手に)思っている。

小むずかしいテクノロジーも、表現しだいで「絵」として想像できるって助かるな。

理系のりくつが得意じゃないんで絵として想像できると話にのめりこめる。

さとう

さとうはゲームをしないからこんなことにあらためて感謝ね

iotって言われても「何がどうなること?」って疑問しかない。

けど「スマホで家電がコントロールできる」とか「車載タッチパネルで運転中も操作がラクラク」って説明されるとなるほどと納得する。

さとう

説明のしかたがそれとちょっと似てる

作中たびたび出てくる「ギフト」の存在、これはさとう流に考えるならけっこう高度な iot なのかも。

でもこれは

  • P to P (Person to Person)  ヒト同士が繋がるインターネット
  • M 2 M (Machine to Machine) キカイ同士が繋がるインターネット

を超えた、ヒトとキカイがテレパシーで繋がるインターネットのようなものだと、今ごろわかってきた。

さとう

サイバーパンクがはやったのはずいぶん前だから、やっぱりさとうは理解が遅い

さとうがこの本を読んだ理由

それは「1」を読んだら面白かったから。

面白くなかったら読まないじゃん。

話の続きが気になっていた。

「2」は食料というよりはちょっとばかり料理に寄った話になりつつある。

料理だけではなく、「1」に出てきた〈太母〉の秘密や味覚による知性の目覚めが惑星の運命を左右する今後など、さらに続くのかなぁ〜と期待させる感じも出てきた。

そうはいっても勘当御曹司と元・使用人だった少女が食べ物をめぐってドタバタするのは変わらん。

「1」については「グルメな人は宇宙では大変だね」をお読みください

追記:お約束だが、つづきが出ない

さらに続くのかなぁ〜と期待させる感じも出ていたのだが、つづきは一向に出版されない。

SFにはよくあることだ。

話がきちんと落ち着くところまでいって、いろいろな伏線も回収され説明され「なるほど、こういう話だったのか」となってシリーズが終わる、というのはよほどの力量をもつ作家でないと、ムリなのかな。

期待だけさせておいて宙ぶらりん、は読み手にはツラいよ。

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この記事を書いた人

昭和生まれ。なのでリアルな顔写真はご勘弁を。
オタクという言葉がなかったころからSFを読んでいます。
オタクのはしくれなので読んだ本を紹介します。

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