デュマレスト・サーガの第3作。
むかしも今も、トップが独裁者では国は栄えない。
でも存続しているのはなぜ?
【迷宮惑星トイ】のあらすじ
目的があって惑星トイを訪れたデュマレストだが、着いた途端に拘束されトイの独裁者が開催する戦争ゲームに強制的に参加させられる。
負けた側のデュマレストたちは狩りの獲物として死ぬまで追われる立場だが、一計を案じてどうにか生きながらえた。
しかし「株主」が国の支配にかかわるトイでは逃げようもなく、結局デュマレストは奴隷として買われ、配当祭のショーで再び命がけの闘いを強いられる。
どうにか生き延びたデュマレストは目的を達成するために、独裁者に対抗したい株主の代理として、世にも奇妙な四次元迷宮での闘いに挑むことになった。
闘いの中、じつはここまでのできごとにはサイバーが関わっていたと、死にかけたデュマレストは知る。
彼はトイにやってきた目的を果たせるのか?
四次元迷宮はオマケのようなSF設定
ちょっとなつかしい古代ローマの映画でも見ているような話だった。
暴君 vs 挑戦者、の構図のなかで、痛めつけられる下々の者たちのエピソードが進んでいく。
デュマレストは、超能力のような特別なチカラは持っていない。
でも鍛えたカラダとすぐれた身体能力やそれまでの旅での経験からくる知識などで、困った状況から抜け出す方法を考える。
特殊能力があるわけでもない、オールドタイプのヒーローだ。
むかし「スターウォーズはSFじゃない」と言ってた友だちの話を書いた。
この話を読むと、厳密な定義を追いかける人はSF認定をしない可能性もあるよね。
でも。
さとうさとうはスターウォーズもこの話もSFだと考えてますからっ
だってさ
- はるか未来の設定
- 宇宙広しと旅する設定
- 現在の現実とつながるところがありながら今はまだない機械やしくみを使っている設定
これらをどう認定するのよ?
やっぱりこれはSFの世界の話でしょ?
というわけで、もう一回載せておく。
具体的になにをSFと呼ぶかについては、自分のサイトにむかし書いたことがあるので多少修正して引用する。
①科学的論理を基盤にしている。また、たとえ異星や異世界や超未来が舞台であっても、どこかで「現実」とつながっている(ホラー、ファンタジーとの区別)
②現実の日常ではぜったいに起きないようなことが起きる(ミステリとの区別)
③読者の常識を壊すような独自の発想がある(センス・オブ・ワンダーもしくは認識的異化作用)
④既存の(疑似)科学的なガジェットまたはアイデア(宇宙人、宇宙船、ロボット、超能力、タイムトラベルなど)が作中に登場する(ジャンル的なお約束)
Ohmori NozomiーSFの定義(『現代SF1500冊 回天編 1996~2005』巻末「おわりに」)
大森氏は①から④までぜんぶ満たしていれば本格SFだけど、①と②だけでもSFとしてはオッケー、っていう認識らしい。
終盤にあまり具体的でない四次元迷宮が出てくるけど、まあこれもSF設定のひとつなんだろう。



さとうには話のオチのために用意されたオマケに思えた
さとうがこの本を読んだ理由
シリーズものだから読み続けるのだ。
じつはこの話には、経済の一部を支えている高価な織物をつむぐイトツムギなる生きものが出てくる。
それは好き嫌いのわかれる8本脚のヤツだった(しかも大きくて知能は低いが飼い慣らせる可能性があるという描写)
だからあの生きものが苦手な人は読まないか、それが出てくる場面は飛ばしてね。



生きものの固有名詞を出さないのは、苦手な人はめっちゃ苦手だから












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