【九百人のお祖母さん】SF好きにも苦手はある

「おもしろいから読んで」とSF小説をオススメするさとう。

「むつかしいところは流し読みでオッケー」とも書いている。

だが、そんなさとうでも読みにくくてギブアップする小説はある。

目次

師匠が認めているSF作家ではあるが

SFを読むときの参考にしている大森氏はラファティを「世界最高のSF作家」と勝手に認定している。

さとう

さとうも大森氏を勝手に師匠に認定している

だから読みにくくても、ちょっとだけがんばって読むかーと考えていた。

しかし。

結論からいうと、楽しくは読めなかった。

さとうとしては、正直にいうと「むつかしいところはスッと飛ばして楽しんで〜」とは言えない結果だった。

読むひとを選ぶ内容だったね。

へんな小説に目のない人にはオススメできる21の短編

九百人のお祖母さん

特殊様相調査局の遠征隊は潜在利益に満ちた星に着陸した。セランも調査のために歩き回り、この星の人間は誰も死なないと聞く。種族の起源を知りたくてたまらなくなったセランはとある家に忍び込み、年寄りの話を聞こうとするが。

巨馬の国

「あいつらがきて、われわれの土地を取り上げた」と人びとがいい続けた件について。蜃気楼のような現実を説明しようとするお話。

日の当たるジニー

4歳の女の子・ジニーとその存在をめぐるふたりの博士の、人類学的見解についてのおしゃべりなど。

時の六本指

朝めざめたヴィンセントは、時間のながれが異常に遅いことに戸惑う。苦労のうえ出社して何十時間分もの仕事を片づけてもほんの数時間しか経過してない。だが疲れて眠りこけたあとにめざめると、通常にもどっていた。医者に相談し、バーに出かけた彼は「多指奇形と天才の関係をさぐった研究を読んだことはないか」とある男にたずねられ……

山上の蛙

銀河系で最高に危険な狩りで殺された親友がガラマスクの夢枕にたち「謎を解きあかし仇をうってくれ」と告げる。山へ向かったガラマスクは猛獣とたたかい苦難をのりこえ、いよいよ最後のたたかいへと挑む。

一切衆生

部外秘要員のアンソニーはなぜか世界中の人間を知っていた。しかも上司は「場違いなことを感じたらすぐに報告するように」という。バーに入ったアンソニーはその時ささいな異常を感じ、上司に報告しようとするが……

カミロイ人の初等教育

地球からの訪問団がカミロイ市の教育法について視察したときの報告。本質を追求する皮肉の効いたカリキュラムの紹介。

スロー・チューズデー・ナイト

経済的循環型社会の一夜。

スナッフルズ

べロータという小惑星に調査に降りたった探検隊6人は、現地の動物である1匹のスナッフルズとともに野営を続けていた。おとなしく理解力と愛嬌のあったスナッフルズが、ある時豹変する。スナッフルズとは何者か?

われらかくシャルルマーニュを悩ませり

世界で最高の9つの頭脳が集まって、過去の歴史の小さな一事件に干渉し影響を調べようとする試みが始まった。検証できるように記述のある基本テキストも用意してある。だが、機械が作り出した化身を送り出し任務を完了させたあとも記述は一言一句変化してなかった。さて、9つの最高頭脳はどうするのだろうか?

蛇の名

バーナビイ神父は惑星アナロスにて、罪を悔い改めさせようと努力する。が昔なじみの罪はどこにも見つからず、町をさまよった神父が発見したものは。

せまい谷

公有地管理課にやってきたランバート一家はいわくつきの土地の所有者となり、さっそく出かける。だが登記上は800メーター四方のはずの土地は実際に見にいくと幅2メーターほどの溝だった。ランバート一家はどうしたらよいのか?

カミロイ人の行政組織と慣習

外星慣習法令実地研究調査団から提出された報告書の抜粋。柔軟すぎる公民権取得による奇天烈すぎる行政の執行に、第1次調査団はあわてて地球へ帰ることになった。

うちの町内

町内にはおかしなやつがうようよしている。小さな家から大きな荷物を出荷するとか、何もない部屋で口述をタイプして3ページもの手紙を完成させるとか。なにか面白いことはあるかもしれない。

ブタっ腹のかあちゃん

インテリのジョー・スペードが相棒をさがしてどえりゃー機械を作りだした。それを見本市に展示したらどえりゃー人が見にきた。その機械は「ブタっ腹のかあちゃん」道徳的倫理的な判断力をもつ機械だというが、さて。

七日間の恐怖

ウイロビー家には7人の子どもがいる。クラレンスが消失器をつくって遊びはじめた。それから次々とご近所界隈のものが消失する。妹のクラリッサには肌寒い疑惑や確信に近い疑惑があった。はたして7日後に起きたことは。

町かどの穴

ホーマーが家路をたどり(おそらく)自宅に帰った、が、妻は別のホーマーに喰われそうになっており、子どもたちは「おまえパパじゃないな」とか「おうちにパパそっくりな怪物がいてママを食べようとしてんの」と告げる。タイムリープとパラレルワールドと妄想がごちゃまぜの空間につながる「穴」が町のどこかにできていた。

その町の名は?

スミルノフは自分がつくった機械に「その存在が知られていないあるものを、証拠の不在を綿密に検討することによって、発見しなくてはならない」という一般論的なかたちの問題を出す。しかしそのやりとりを含めて大事なことがいろいろと忘れ去られていた。しかもその忘れ去る機械をつくったのもスミルノフなのだが……

他人の目

コグズワースは他人の目で世界をのぞく機械を完成させた。自分の脳と連結させる7つの脳の持ち主も選ぶ。つぎつぎと他人目で世界を見たコグズワースは、最後に美しいヴァレリーの目で世界を見る。彼に起こった変化とは。

一期一宴

ジョンは酒場で奇妙なやつを見る。たらふく食ってたらふく飲み、たらふく遊んで1日を過ごしたあと、あるささやかな秘法で死ぬ。それを繰り返しているというのだ。その男はこう言った「一生を一度に一日で生きろ」

千客万来

宇宙船が到着する予定もない空港のフェンスの向こうに700人もの新しい人びとが待っている。と思ったらあっという間にどんどん増えて、スカンディア人は重なりあったりスシづめになったりしていた。そして短い訪問のあと、帰りしなにスカンディアの指導者は「あなたがたを空虚の中へ置き去りにはしません」と言った……

さとうがこの本を読んだ理由

なにかの本の紹介で「900人もおばあさんが生きていて誰も死なない」という言葉があった。

これ、すごくそそるよね?

セランじゃないけどさとうも「じゃあ始まりはどうなってんの?」と思ってしまったからね。

それがこの本を読んだ理由。

チャレンジしてみるのも

読むのは苦労した。

何作かは登場人物が重なる。

何作かは別の話と多少の関係がある。

何作かはブッ飛びすぎてツッコミどころが理解できず、話を読むのに何日もかけた。

紹介するのに「読めなかった」じゃ困る。

でもふつうに前から読んでも進まなくて、うしろの話から一日一作ずつ読んでみたりもした。

ラファティには長編もあるけど、短編ですらこのありさまでは長編を読むのはもっと大変だろう。

だからさとうにも苦手があったのだ、ということにしてしばらくはラファティには近寄らない。

でも「めっちゃおもしろかった」という感想の人もいたので、チャレンジしたい方はどうぞ。

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この記事を書いた人

昭和生まれ。なのでリアルな顔写真はご勘弁を。
オタクという言葉がなかったころからSFを読んでいます。
オタクのはしくれなので読んだ本を紹介します。

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