たとえ神のごとき力が使えたとしても、そこには凄まじいばかりの責任とモラルがついてまわる。
この本も傑作怪作を楽しめるが、最後に私たちは、神ではなかったと学ばざるを得なくなる。
でも、話自体は面白い。
失敗から学んでこそ、賢者でしょ?
科学による道具や手段は使えても、結局わたしたちは人間であって神ではないのよね。だから、「神のごとき」力を使ってしまったらそこには大変な重みの責任と、自分が考えるレベルとは相当のギャップがあるモラルが付きまとうの。
神様のすることって、実は残酷な現実が多い。「神の気まぐれ」って言うことがあるじゃん?
神話なんかを読んでみると、けっこうエグい展開になることもある。
でもさ、わたしたちは人間だからトラブルだのハザードだのに見舞われて大変な思いをするけれど、そこから学んでさ、情報としてまとめて次へと活かしていくことができる。
それは恥ずかしいことじゃないし、学んでこそ賢者になれるわけよ。
各話、著者の発表順ではないけど、うまい具合の………連作なのです。
タフ再臨
「タフの方舟1 禍つ星」の「パンと魚」の続き。食糧不足の話は続く、と言うわけ。それというのも人口が、減らないというか増え続けるというか。
魔獣売ります
ポケモンとか妖怪ウォッチとか、手元で自分に属するキャラを育てて戦わせるアニメやゲームはすごく流行ってるよね。人間は昔から闘牛とか闘鶏とか闘犬とか、いろいろ戦わせる競技を続けてきている。これは、そんな類いの話。なんたって魔獣だぜ?培養し放題じゃね?
わが名はモーセ
あるレストランでタフは暴漢に襲われる。が、なんと、タフは暴漢の腕をへし折れるくらい怪力だったことがわかったよ。驚き!これはモーセを名乗る男のしかけた宗教戦争の話ですが、某国の◯◯大革命とか、某々国の内戦後の一時期とかにどこかちょっとばかり似てなくもないなぁと思った。
天の果実
三たび食糧不足の話、のはずだが………なぜか周辺星域を巻き込む戦争の話になっていた。そしてわたしたちは神様ではないので、責任とモラルについて考えなければならない状況になる。ああ、だんだん、重くなってきたよ。
ちなみにさとうがこの本を買った理由
この本は2冊のシリーズもの。だから1を読んだら2を読むのはあたりまえな感じだった。
だって、1が面白かったんだもん。2も読むっしょ。
まとめ:本の紹介
人の生きる世界のどこにでも当てはまる方程式、というものはない。
でもタフという主人公の人物を見る眼、状況を把握する観察力、さまざまな事象を正確に考察する能力を考えると、人にはどこか、振る舞いのなかに似通ったところがあるんだなと思ってしまう。
この本の著者は、今や一大人気のファンタジーを書いているが、翻訳者によればタフの続きも書いてみたいなどと漏らしてもいるようなので、いつか突然に、またおもしろい話が出てくるかもしれない。
こういう話、嫌いじゃないのよ
とりあえず、おもしろそうと思ってくれる人のために、1と2の両方を紹介しとく。
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