【さすらいのスターウルフ】レトロ感満載のスペースオペラさ

令和なのに昭和レトロがはやっている。

そんなもん、SF小説界にはヤマほどあるぜっ。

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【さすらいのスターウルフ】のあらすじ

悪名高きヴァルナ人のスターウルフ。

略奪をなりわいとする「スターウルフ」だったケインは、仲間われをして宇宙にひとりきりとなる。

負傷したからだのまま故障した宇宙船のなかで朽ち果てる………のかと思いきや、ぐうぜんにも地球人の外人部隊の宇宙船と遭遇した。

出自を隠して外人部隊に同行するケインは新しい人生を始めることになる。

だが宇宙船の船長は、ケインの本性を見抜いていた。

そこからは、ちょっとレトロだけど緩急ついておもしろい宇宙冒険活劇となる。

理屈も表現もレトロだよ

レトロでもさとうは、この著者、エドモンド・ハミルトンを読みつづける。

だって、こういう作家がいてくれなかったらSFのおもしろさを伝えることができなかっただろうと考えているから。

話はよくある感じの、ちょいワルな主人公が困った羽目におちいるんだけど、ひとクセある恩人があらわれてなんとかかんとか生きていくってな感じ。

そこに恩人の仕事がらみというべき危険な冒険がはさまっている、というわけなの。

主人公の設定がこれまた、ちょうどいいぐあいのいいかげんさをのせているんだね。

「悪名高きヴァルナ生まれの、地球人」

見たまんまのうさんくさいヤツなのよ。

ああ、ふるい話だからなんともいえないまったり感にひたれる。

スペースオペラには紆余曲折した歴史がある

いまの時代にスペースオペラというと「たとえばスター・ウォーズみたいな?」という説明でなんとなくわかってもらえる。

でも、ハミルトンがめっちゃ作品を書いていたころのスペオペは、いわゆる「宇宙を舞台とした冒険活劇」という定義なんかない時代だった。

なんていうか、舞台が宇宙ってだけの安っぽいドタバタドラマ、みたいな評価を受けていたんだね。

事実そういう感じの、ストーリーも科学的な記述もめちゃくちゃ矛盾だらけの話も多かったらしい。

さとう

全部を読んでないので「らしい」っていうしかないけど

スペースオペラがたくさん出てきたアメリカなどでは、例によって「どういうものがスペオペか?」みたいな言い争いも多かったようなんだ。

でも日本では、マンガという文化的な土壌もあったせいか、わりとすんなり「スペースオペラはSFだよね」ってな感じでスペオペが娯楽として認識されちゃった。

さとう

さとうとしてはありがたいけどね

1970年代ごろから、スペースオペラもSFならば科学的にもうすこし厳密でないとダメじゃね?みたいな考え方が広がった。

それと同時に単なるドタバタドラマじゃなくてテーマ性を持つべきじゃね?みたいな方向に流れていく。

いま、スペースオペラとよばれる作品は、むかしのスペオペとは格段にレベルがちがう。

ちゃんとSFなの。

科学的な説明もストーリーの流れも現実にリンクするテーマ性も、ちゃんとしている。

でもさとうはたまに、ハチャメチャだけど起承転結のちょっとある冒険話を読みたくなるのね。

だってストレス発散になるんだもん。

さとう

オススメできるよ、ストレス発散にはバカっぽいSFがいい

いつもいつも理路整然としたフィクションばかり読んでいても、脳は休まらないし。

さとうがこの本を読んだ理由

さとうはハミルトンの「キャプテン・フューチャー」シリーズのアニメを、天下のNHKで見たことがあるんだね。

小さかったのでくわしいことは覚えてない。

主人公の声がよかったのとなんとなーく科学的なにおいのするアニメがおもしろかったのは覚えてるんだ。

そんな過去があるもんだから、本屋で「ハミルトン」「スターウルフ・シリーズ」というのを見てしまったら、買うしかない。読むしかない。

だって、ドタバタしておもしろかろうと思っちゃうもん。

じつはハヤカワ文庫SFの、2000冊以上はあるはずの本の輝かしい「1番」はこの本だった。

さとう

ちょっと驚いた

追記

じつはこの本、というかこの本をふくめて何冊か引越しのときに行方不明になって、読みたくてさがしても見つからなくてあとから買いに行った記憶がある。

それがこれ。

表紙カバー絵がいつ変わったのかなぁ。もうネットでさがしても、なかなか見つからない。

さとう的にはどっちも好き。

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この記事を書いた人

昭和生まれ。なのでリアルな顔写真はご勘弁を。
オタクという言葉がなかったころからSFを読んでいます。
オタクのはしくれなので読んだ本を紹介します。

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