超・金持ちのジジイにムカついた話

遊びのランキング1位を維持することがそんなに大事?

しかも金に飽かせて最新デバイス使い放題の、立ち入り禁止地帯に潜入しての、自分らの暴挙を「冒険」と言い換えての………うああああっ!

なんだかんだ言いながら、結局大事なのは自分たちの健康と若さを金で維持することだろがっ。

そしてそれを見せびらかし、ネットにあげた暴挙の動画を讃えてほしいだけだろがっ。

ついでにジジイが若い娘に恋をして、金で釣ろうと執着してるだけだろがっ!

目次

キーワードは超兆億万長者、ってか

いや、だからね、好みの顔に好みの体型、好みのおしゃれに好みの食事、と自由に整えられるご老体たち、生活は金を使い放題なので何も心配なく、あと何が欲しいかって、ジジイババアになったらやっぱり傷ひとつない健康なカラダだよね。

金さえあればついに健康さえも維持できる、ナノテク満載のカラダ。しかも都合の良いことに、若さも手に入る。ほぼほぼ不老不死。

何でもやれるじゃないかっ。

そんな世界で生きていて、退屈を紛らわせるなら、もう冒険(暴挙)しかない。

この本は主人公の一人称の視点で話が進む。

そして彼の言い訳が、200年ほど前に地球環境が悪化しすぎて〈クラッシュ2057〉という大災厄が起きそこから世界を立て直したんだという事実(らしい)

苦労して立て直してもう二度と世界があんなことにならないように必死に働いて、の今があるんだから、まあたまたま超兆億万長者になってしまったわけだけど今だって仕事は仕事でやっていて儲けがあるんだから趣味に金を使って何が悪い、というわけね。

で、その趣味ってのがウォー・サーフ。退屈を紛らわせる中毒性のあるゲーム。

さとう

スポーツかな?

金持ちの遊びが罪滅ぼしへ?

災厄から世界を立て直し二度とクラッシュしないように頑張っているという過去を持つ主人公。

けれどその結果、世の中は経営者側と使われる側の、それも極端な二極化という格差が進んでしまっているわけ。

ジジイは仲間と、労働争議がエスカレートして戦場となっている立ち入り禁止区域に、どれだけ自分たちが勇敢で賢いかをアピールするために金を使って装備を整えてこっそりと殴り込み、そのすべてを映像として撮ってネットにアップする危険なスポーツを、繰り返して楽しんでいる。

スポーツなのか?

しかも、今はそこに若い娘の気を引きたいという強い要望(いや、欲望か)がずーっとつきまとう毎日、毎時間、毎秒なんだね。

お気に入りの彼女はナノテクを使わなくても正真正銘の若さをもつ娘でさ。

いやはや、未来になってもそのへんの、欲望の行き先は変わらんのかいっ。

ところがね、そんな金使い放題のナノテクだらけの若さと健康を無理やりカラダに維持しているジジイにも、経営者だからか、人には言えない秘密があってね。

それが最高難度のウォー・サーフの区域についてだったりするんだな。

でも失態が続いてランキングが落ちちゃったので(そして愛しの彼女に呆れられたんじゃないかと超心配になって)ついに最高難度《天国》にサーフせざるを得なくなる。

できるだけ楽勝で済むプランを立ててサーフを実行しようとしたが、やっぱ戦場だからね、予想もしないことが起きて主人公と彼女は《天国》内部に連れ込まれてしまうんだなー。

そしてそこではじめて、主人公のジジイは天国って名の悲惨な地獄を経験するわけ。そこに住んでいる人間たちはずーっとその悲惨な環境の中で暮らしているわけでさ。ジジイははじめて痛みを知るって感じなのかな。

あとは改心した彼女がジジイを振り回す展開となるね。

そしてついに、金持ちの遊びからジジイも改心して罪滅ぼしをする(ことになるんだろうさ)っていうオチ。ナノテク満載のカラダが、やっとお役に立つのかな。

さとう

あ、ネタバレだ、すいません

免罪符はない

なんかねぇ、今回めっちゃ口が悪い。

それはこの主人公がわりとまわりにいる昭和生まれのじいさんばあさん達とかぶるところがあるからなのよ。

さとうだって結構な年齢だけど、少し上の世代のじいさんばあさん達は「昭和の高度成長期を支えるために一生懸命働いたんだから、今の年金はそのご褒美」といって、ものすごい額の年金をもらって毎日カラオケ三昧だったりするのね。

まあ、国の制度がそうなんだからそれはそれでいい。

けど「カラオケがなかったら私、死んじゃう」とかって、生活の苦しい年収200万ちょいの若者の前でさも自分たちじいさんばあさんには当然の権利なんだからなっていう態度で言わないでくれるかな、と思うことがあって。

つまりね、苦難の多い時代を必死に生きてきたからといって、それがすべてにおける免罪符になるわけではないって言いたいの。

今、生きているのは、今、自分のまわりにいるいろいろな人のおかげだってこともちゃんとわかっててねって言いたいの。

この本の主人公だってたまには過去を思い出すんだけど、でも今の大大大大大富豪な生活に浸りきっていてなんでも金で解決させようとしちゃう。欲望を優先しちゃうわけね。

度が過ぎてわがままなので、読んでいてムカついてくるんよ。

世界が大変な時期にものすごく働いて世の中を安定させてくれたことは感謝する。結果、自分の会社が儲かって超兆億万長者になったのも良かったねと思う。

でも。

だから好きなことをなんでもやっていいんだ、という免罪符はないから。

さとう

そこがね、小市民なさとうには引っかかるからムカつくんだ

好きなことをするのはいい、けれどそこに「昔あれだけ働いたからさ、」と無条件の許しを当然のように求められてもね、なんだかなーなんだよね。

この本のレビューは、だから「後半、なかなか面白かった!」「クソジジイが!」の二極化してる。しかたがないね。

ちなみにさとうがこの本を買った理由

インターネットが普通の人の趣味になってから「ネットサーフィン」っていう言葉が流行った。

◯◯サーフィンって言葉に、なんかちょっと惹かれてたんだよねぇ。

今ではウェブページを次々と閲覧して行くのなんて、あたりまえすぎて言葉自体は死語だと思う。

でもタイトルが「ウォー・サーフ」だもの。読んでみたくなるじゃないの。

しかも興味あるナノテクも絡む話だし。

ミーハーだから影響されやすいんだね。

まとめ:本の紹介

著者は全米規模の金融会社で副社長をやっていた人物なので、話の中にさりげなく経済活動の話題が出る。

自分に欠けているものが何であるかがわかった主人公が最後には贖罪という展開になるのは、まあ、英米の小説としてはよくある話なので(キリスト教の影響かしら?)読む人によっては新鮮な感じはしないかも。

地球環境の悪化した未来、有り余る金の力で最先端科学を使い放題の老人たちが危険で中毒性のあるスポーツを楽しんでいたら、楽しむどころではない危機的状況に陥って四苦八苦、若い彼女に認められたいがために主人公は一生懸命考えて行動するという話だった。

さとう

ミもフタもない説明でごめん

追伸

数日後にもや〜んと考えていて、言い忘れていたことがあったと思ったので追加するね。

ジジイがぞっこんの若い娘が、ちょいまともな娘でよかったな。

だって、こんな飛び抜けた金持ちに気に入られて愛されていると思っちゃったら、おねだりし放題になってもおかしかない。

でもこの娘は、《天国》にサーフするまではともかく、《天国》の現状を目の当たりにしてからは「こんなとこ早く逃げ出そう」なんて考えないで、自分にできることをして《天国》の住人の手助けをしようと行動するんだもの。

まあ、そこに、男らしい男が実在していればね、そうもなるけど。

でも、きれいごとのようだけど、ちょっと救われた。

それを言いたかっただけ。

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この記事を書いた人

昭和生まれ。なのでリアルな顔写真はご勘弁を。
オタクという言葉がなかったころからSFを読んでいます。
オタクのはしくれなので読んだ本を紹介します。

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